国内だけではなく欧米も含め各国のコロナ対応状況の報道を毎日目にする中で、再度ヨーロッパの主要都市がロックダウンしている。

しかし、そのような状況下でも当初からスウェーデンのコロナ対策は独自の路線を貫いている。スウェーデンは「集団免疫戦略」でコロナの収束を狙うとの報道が多数あった。

しかしこの報道は間違いでありスウェーデン政府の国民へのメッセージは「集団免疫戦略」ではなく「持続可能性」を重視した対策の方針で進むとある。

今回の対策はスウェーデンがデータで丁寧に説明責任を果たし、長期的な対応が必要になると見て国民・社会が長く耐えられる持続可能な対策を当初から採っている。

つまり急激な変化は国民に不安や混乱を招き、長い闘いには合わないと今回の対策を選択したのである。

当然ソーシャルディスタンスや密になる大規模イベントには制限を設けている。

私のスウェーデンの友人(北部在住)から3月にメールを貰ったが会社には電車・バスを利用せず雪の中を歩いて1時間半位かかり通勤しているとあった。

それだけ意識が高いイメージである。

しかしそのような施策の中で、よく報道があるのは介護施設での高齢者の死亡率の高さである。
この死亡率の背景は介護者の3割がパートタイマーで、その多くが移民であり感染しても収入を得たい為欠勤しなかったが故の結果であり、今回の施策とは別の介護制度の構造問題であり、今後調査の上改善されることになっている。

感染者数が増加する中でもスウェーデン政府は国民との信頼関係をしっかりと保ちデータを示し明確な方向性を示している。

今回スウェーデンを取り上げたのは各国との対応とは全く違う独自路線で進んでいる事だけではなく、環境・教育・福祉等日常生活と直結する各種の問題を先延ばしする事なくどの国より先に取り組んでいる。

スウェーデンに私自身が興味を持ったのは中学生の時である。
勿論そんな難しい問題からではなく、映画に映る森と湖に囲まれた神秘的な素晴らしい風景に魅惑されてからだった。

スウェーデンの国土は日本の1.2倍にも関わらず湖の数は97500以上あり、日本の湖の数13000の約7.5倍にもなります。
夏の白夜には誰もいない湖でカヌーを浮かべ幻想的な世界に身を任せる。そのような自然豊かな国ですが、皆さんは毎年年末に発表されるノーベル賞で一年に一度は必ず関心を寄せる国だと思います。

実はノーベル賞だけではなくオンブズマン制度も生み出し、世界の行政の取り締まりに大きな影響を与えています。
スウェーデンの政治家は透明性が高く常に多くのメッセージを発信して国民との距離感が近く信頼されています。

日本は必死に医療従事者の皆さんが休まず努力し危機感を発信しているのですが、国民と政治家・政府との信頼関係はどんどん離れていくと感じているのは私だけなのでしょうか?

今日はスウェーデン大好きな私が書いたのでつい長文になり失礼しました。

これからもずっとスウェーデンを見続けていきたいと思います。

金子 孝一

参考著書:NIRA綜研  NIRAオピニオンペーパー
駐日スウェーデン王国特命全権大使 ペールエリック・ヘーグベリ氏
カロリンスカ大学病院 外科医 宮川絢子氏 
NIRA総合研究開発機構理事/日本総合研究所理事長 翁百合氏